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【飯田線】人生に疲れたから一人旅で秘境に行って仕事辞めた話

2020.04.25
ひとり旅温泉鉄旅関東・甲信越

当記事はお出かけメディアSPOTの「楽しかった思い出の場所記事コンテスト」で賞を頂いた記事です。その節はありがとうございました!!

お世話になっております。りおです。

実は先日仕事を辞めましてね。ちょっと長くなるけれど、いい機会だからそのきっかけになった飯田線の旅でも纏めてみようかなとおもったのです。

路線も長ければ話も長いのですが、お付き合い頂けると幸いです。

1日目:出張からそのままさわやか食べに行く

2019年3月某日、私は会議で小田原方面に出ていました。

この頃仕事でトラブルが続きすぎて、文字通り夜も寝られない日々が続いていた頃。3日後に控える上司との面談が辛すぎる…

その時ふと目についた電車の中づり広告

「平成最後の時刻表」

 

そうか、もう平成も終わるのに私まだ社畜やってるのか…

直前まで頭が痛い案件と戦っていたのがばからしく感じて、急に旅に出たくなった。

 

小田原から都内へ引き返す途中だったけれど、川崎駅で降りて18きっぷを購入。勢いで買ったから、もう休むしかない!スケジュールをみたら明日は丁度休める!連休が作れるぞ!着の身着のままで電車に乗りこんで、仕事ルックのままひたすら西を目指します。

皮肉にも今は丁度帰宅ラッシュ。社畜から抜け出したいのに社畜密度が高い中に身を置いている…少しでも現実から抜け出すため、寝ることにしました。ロングシートめちゃつらい…

21:40 天竜川駅着

出張ルックのままなので、兎に角寒いしなんか熱っぽい。
22時まで開いているドラッグストアで栄養ドリンクと風邪薬、ミニ毛布をゲットして遅い夕食へ向かいます。

この毛布がなかったら、たぶん本当に風邪ひいてたと思う。

 

スタート時間が遅かったとはいえ、かなり遅い夕食です。

お れ た ち の さ わ や か に や っ て き た ぞ!

副鼻腔炎こじらせて身体が重怠いのですが、さわやかは入りました…肉が染みる…

食事の後は浜松駅まで再び電車で移動して、ホテルへ向かいます。

受付を済ませて今日のお宿、THE GEN’S HOTELにチェックイン。

お部屋はこんな感じで、コンパクトにまとまっている感じだけれど、きちんとバストイレが個室についているし、とても清潔で寝るだけのためにとった宿にしては上出来すぎる。

貨物列車の音を聞きながらおやすみなさい

二日目:ローカル線の横綱飯田線に乗りに行くぞ!

7:06 浜松駅発

翌朝、始発…は身体が動かなかったので、朝7時の電車に乗って豊橋駅へ移動します。私が今回西へ移動した理由は一つ!ずっと行ってみたかったJR飯田線の完乗が目的です。

飯田線(いいだせん)は、愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県上伊那郡辰野町の辰野駅を結ぶ東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線(地方交通線)である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

なんて簡単に書いてありますが、それに続くうんちくがえげつなかったので、割愛。簡単に説明しますと、以下に貼りつけている路線図の通り、めちゃくちゃ長く険しいローカル線のなのであります。

こんな感じで、豊橋(愛知)から静岡、山梨を抜け、長野の諏訪方面までズドーンと抜けます。その駅数なんと94。普通電車だとほぼぶっ通しで乗っても7時間近くかかります。特急を使っても5時間半くらいはかかるというえげつなさ。しかも特急の往来は少ない。

しかもこの路線、どかーんと山の中をつっきっていくため94駅中6駅が秘境駅ランキング上位に食い込んでいるという、秘境中の秘境路線。逆に言うと秘境であることしか売りがなくて「一度は乗りたいローカル線ランキング★」みたいなのには食い込んでこないという…全くチャラさがない男前路線なのであります。

今日のルートを調べている間に、あっさり豊橋駅に到着。

のるぜ、飯田線。
これだけ秘境に向かう路線だから、ガラガラだろう、とたかをくくっていたら…通学路らしく、豊橋から乗車後30分くらいは座れないくらいには混雑していました。

8:11 豊橋駅発

 

飯田線は車掌さんが同乗していて、乗客が減った後検札に回り出します。

車掌 (18きっぷを見ながら)「どちらまで行かれるんですか?」
私  「ひとまず、湯谷(ユタニ)温泉まで」
車掌 「あ、湯谷(ユヤ)温泉ですかね」

私  「アッ」
車掌 「アッ」

 

そんな恥をかき捨てながら、ようやく第一目的地「湯谷温泉」に到着。

国内旅行をするときは可能な限り「1日一温泉」をモットーにしているので、温泉と名が付く駅には下りずにいられません。それにしてもいい雰囲気の温泉街だなぁ。

そして温泉も下調べ済みです。今日は「鳳来ゆーゆーありいな」で入浴します。こちらは10時から開いているので、鉄タビに最適ですね。

おや…

温泉の前にショベルカーが居るぞ。

…営業してる気配が…ない…。

アッーーーー!!

下調べが甘かった。営業日の確認はしてたんだけど、トップページにこっそりと臨時休館が載っていたとは。いきなり計画が狂ったけれども、慌ててはいけない。ここは足湯に浸かって計画を練り直そう…

秘境路線で計画が甘いと、トイレすらもあるかないかわからない様な土地で3時間置き去りなんてザラですからね。リスケするにしても後々の影響をよく考えないと行けません。

ここで心頭滅却して計画を練り直そう…(2回目)

とてもいい足湯だけれど、めちゃくちゃ熱くて浸かったところが赤くなっていました…
しかしおかげで頭がさえて計画を練り直せました。

よし、湯谷温泉でさらに1時間長く滞在して温泉に入くことにします。その後立ち寄る予定だった秘境駅の「大嵐」をカットして「水窪」で時間調整すればリカバリーできそうです。

オシ!11時だ!

時間になったので泉山閣さんにお邪魔しました。ステキなジェントルに受付していただいて、大浴場にいきましょう。一番風呂で貸し切り状態なのでテンションがあがりまくる。

 

荷物をフロントに預けて、いざ。

朝一番で飛び込んだ貸切状態のお風呂は内湯も露天も最高!
特にこの渓流を眺める露天風呂が最高で、延々と出たり入ったりを繰り返していました。

あーよみがえるゥ!

こんなんずっと入ってられるわ…

本当に1時間近く入っていました。予定よりも2時間ほど押してしまったけれど、折角の秘境だからゆっくりと出来て良かったと思う。そもそも秘境にまで来て急ぐことないもんな。

ということで、前哨戦終了。

12:08 湯谷温泉駅発

お迎えに来た天竜峡行きに乗って湯谷温泉を後にします。

いい湯だったぞ~!ここからはいよいよ秘境に行きます!

この辺になってくると、車掌さんは大忙し!

検札もするし、乗客とコミュニケーションもとるし、出発の確認もするし…
先頭まで行って出発の確認して、ダッシュで最後尾に戻ってまた中を検札して一番前に…を繰り返していました。

しかも、無人駅だらけだから車内精算も多く地味に面倒だ…

この路線本数が少ないので、何度も乗り降りすれば当然「あっさっきの車掌さん…」となり、最後には「あ、きっぷいいですよ~」と言われてしまいました。完全に顔パスです。

まぁ、オフィスカジュアルで秘境駅に乗りこむ女は目立つよな。

秘境駅駅にオフィスカジュアルで降り立つ女

13:19 小和田駅着

そして次の目的地、小和田駅へ。

きたぜ、秘境中の秘境。

なんでも秘境駅ランキング3位だとか!
これまで20位界隈しか行ったことないのに、いきなり四天王に挑む命知らずは私です

プシュー

列車は私だけを残して去っていった。
あれ?これだけガチの鉄っぽい人が乗ってるのに、降りるの私だけなの?!

しかし安心してください。

チキンの私は「秘境駅に3時間も居れないよ…!」と、反対向きの列車で一度戻る箱ダイヤを考えていたのです!次のお迎えは約20分後の豊橋行きなのでちょっと散策しましょう。
ここからはしばし写真多めでお楽しみください。

【静岡/長野/愛知の境界線の駅の標】
境界マニアが大喜びしそうですね。

もう平成も終わろうというのにこの空気ですよ!
最高か!

とりあえず目についたものをとっておくスタイル。
我ながら情報量が多い写真だと思います。そろそろ真面目に写真の勉強をするべきな気がしてきております。

情報が多すぎるので私が解説しますと、こちらの小和田駅は雅子皇后ご成婚の時「小和田」の名前にかけて聖地になったらしく、その時の臨時列車のヘッドマークが飾られていました。

そして手書きの「いらっしゃいませ」が怖すぎるよ。
君は一体どこに誘おうというのだい?

ここはまるで非現実の世界みたいで、一歩駅舎に入ると全く音がしない。完全に時が止まっているのではないかと錯覚してしまう。ほんの数分がとても長く感じます。

駅ノートがこんなに沢山。

思い出も年季の入り方がすごい…!思わず読みふけってしまいました。
いかんいかん、危うく小和田駅に飲み込まれるところだった…

ようやく表に来ました。

日本よ、これが秘境駅ランキング堂々3位の小和田だ
すごい風格ですね。これぞTHE・秘境駅。

 

まだ時間があるので、さらに探索してみようと外に出るけれど…古びたベンチしかありません。

降りてすぐに廃屋を発見しました。
グーグルマップだと「製茶工場跡」と書いてありますがその面影はありません。

昔ヒットしたジャパニーズホラーのゲームを思い出しますね。サイレンがなるやつ…
これは人が居ても居なくてもこわい…

これね、他に降りた人がいればそんなに怖くないと思うんですが、本当に誰もいないのでジワジワと怖い。

誰だよ、大嵐で時間あったら夏焼集落見てみたいとか言ったの!!これよりもっと怖いやつだぞ!!
今のコースは完全にプランBだったけれど、プランA(大嵐で降りて無人集落を見に行く)にしなくて本当に良かったと心の底から思いました。行こうもんなら絶対泣いてちびってた。

そして製茶工場跡をさらにおりると、廃車を発見しました。


これは小和田駅の旅行記なんかでよくみかける有名な朽ちたミゼットですね。

さらにそこをおりると天竜川の雄大な流れが目の前に現れました。
勿論ガードレールなどなく、うっかり足を滑らせたら誰にも気づいてもらえず終わっちゃうスタイル。

川の美しさよりも、ゾワゾワ感の方が上回ったので退散。

そろそろ戻りましょう。

13:42 小和田駅発

ホームに出てほっと一息。
ここから人界へつながる列車が来ることの安心感と言ったら、ちょっと最近味わったことがなかったですね。
迎えの列車は時刻通りに到着して、無事小和田駅を脱出。一旦豊橋方面に引き返します。

難読:水窪の町で昭和レトロを見た

13:53 水窪駅着

小和田で3時間待ちは回避したものの、ここ水窪で2時間待ちが発生します。
当初この時間を大嵐で過ごす予定でしたが、水窪にして本当によかった…

時間はたっぷりあるので商店街のあたりをぐるっと散策して、ついでになにかおなかに入れましょう。

駅で降りたのは私と、地元っぽい年配の女性の二人だけ。
おばさんはスタスタ歩いていきました。

おばさんは、細いつり橋をスタスタと歩いていった…周囲を見回した感じでは駅から町への最短ルートはこの吊り橋だけのようなので、私も続くことにします。

時間は十分あるので、地図で気になった「塩の道」を通ってみることにしました。今はただの道なんですけれども、むかしはここが遠州と信州を結ぶ塩の交易路だったんだそう。その中間地点は「塩尻」なんですって。

山なのに塩なんて変だなとおもったらそんな謂れがあったとは!

「塩の道」はこんないい雰囲気の家が並んでいました。

さらに進んでいくと、今度は昭和にタイムスリップ。

しかし散策中についに雨が降りだしてしまいました。

小雨が降る中町歩きだけで2時間はつぶせないので、お店に入りましょう。

カフェ的なところはないので、名物の栃もちのお店「小松屋さん」へ立ち寄ることにしました。
最近リノベーションされたステキな佇まいのお店です。

小松屋製菓
静岡県 浜松市天竜区 水窪町奥領家 3263-4
053-987-0203
9:00~18:00 日のみ10:00~17:00(火・木定休)

名物の栃もちは明日以降のおやつに買っておいて、栃もち大福とみかん大福を頂きます。
結局今日のお昼これだけだけど、糖分即エネルギーだからよしとする。

ところで、昔教科書でお世話になった「モチモチの木」という童話にでてくる「モチモチの木」って実は栃の木なんですって。その話を聞いた後日、図書館で読み直して目頭が熱くなりました。あれは名作なので後世に伝えたい。

栃の実ってどんな味かと思ったら、癖のないでもちょっと風味がする美味しいお菓子でしたので、是非食べてみてください。語彙力がなくてうまく表現できず申し訳ない。

 

雨が小降りになったあたりで、早めに駅へ戻り、無事に次の列車に乗れました。

15:56 水窪駅発

この時間になると流石に乗客が減ってきましたね。
ここから終着駅の天竜峡までは15駅しかありませんが、途中停車が多いため1時間ほどかかります。

水窪を出た列車は早速大嵐駅で行き違いのために停車します。これまた難読ですね。

当初は、ここで降りて近くの夏焼集落を覗いてみたいなどという無謀な妄想もしていたけれど、限界集落以前にその前のトンネルが怖すぎました。一人で行かなくて正解でした…

気になる人は「大嵐 トンネル」辺りで検索してみてください。

何もないわりには立派な駅舎。

結構な山奥ですが、車でアクセスが可能なので「秘境駅」としての特典は低いようです。

また小和田、中井侍…と名だたる秘境駅を通り5駅ほどで再び停車。今度は平岡駅で特急通過待ちのため10分ほど待ち時間がある様です。

車掌さんがご親切に発車時刻を教えてくれましたが、二回も教えてくれたのは私が余程乗り遅れそうだったからかな…?

平岡駅といえば温泉旅館が併設されていることで有名ですが、なかなかの充実ぶり。秘境にいすぎたせいで、充実に対するハードルが完全に下がっている自覚はあります。

お、お土産も売っとるですやん!

秘境駅最中… 実は狙ってたんだけど…売り切れてた…

 

ホームに戻ると、車掌さんと乗客の間で濃い電車トークで盛り上がっていました。
流石飯田線乗る猛者は会話がマニアックです。全然ついていけません。

写真を撮っていたらおじさんに突然「乗り鉄?」と訊かれる。

その辺の猛者たちには全然かないませんので「いえ、ニワカです!」と答えときました!

このおじさん、若い男性の連れが居たので息子さんと思っていたら、おじさんが利用した旅行代理店のスタッフさんなんだそうで驚いた。周囲に誰も鉄旅が趣味の人が居ないから、たまたま見つけた同じ趣味仲間ということで連れ立っての遠征。二人とも水戸から来てるそうです。タフ!!そしておじさんのコミュ力の高さよ…

今日は飯田で一泊されるそうです。どうぞこの後の旅も楽しんでください。

そして電車は再度出発し、「天竜峡」へ到着しました。

17:16 天竜峡駅着

しかし、時は17時過ぎ。しかも平日とくればお店はほぼ閉まっています。

ひとまずメインの天竜峡に行ってみたのですが、雨続き×夕方という絶妙なコンディションで、水が濁りまくりで写真を撮ろうにもいいものが撮れません。
いいですか、腕が悪いという事には触れないのが大人というものですよ。

私、景色の写真撮るの下手くそ選手権で上位に食い込める自信があるわ…

観光を諦めて近くの温泉で時間をつぶそうと試みるも、またも休館日でした…なにそれ!さらに雨が降りだしたので予定より一本早い列車で宿へと向かうことにします。天竜峡こんだけです。

18:03 伊那八幡駅着

今日はこの伊那八幡で一泊します。

今回のお宿は”やまいろ ゲストハウス”さんです。

オフシーズンなので、個室の1組と私の3人だけの宿泊客でした。
ドミは貸し切り!!!!

個民家を改装したゲストハウスなので、古さとオシャレさが上手くマッチしたデザイン。
もちろん清潔で、とても快適でした。

一番安いシングルドミで3,200円。

ほかにセミダブル、ダブル、ロフトと種類があり、個室もアリ。

ドミトリーとはいえ、それぞれのスペースがしっかり囲われているので、秘密基地感があっていいですね。

2階は客室、1階はちょい飲み(飲食店)と共有スペースがあります。
あぁ、この小上りステキすぎる!!

こちらは飲食店スペース。いい雰囲気です。餃子とおでんが絶品と聞いて楽しみにしていたけれど、この日は居酒屋営業はお休みの日という。どこまで定休日を引きまくるんだ、私。

 

そういう訳で外に食事に出たけれど、宿でオススメ頂いた天音食堂まで「予約のみの営業中」の札が出ている始末。いったいどこまで運がないのか…仕事休んで秘境に来た私がいけないのか…

そして外はいま土砂降り…心が折れすぎる…

最悪ゲストハウス裏のローソンでお弁当を買って帰れるけれど、朝からロクなもの食べておらず夜くらいは温かい料理が食べたいので外食を諦めたくありません。暫く周囲を歩いて探すもほかにお店もなさそうなので、ダメもとで天音食堂に電話してみると「時間がかかっても良いなら来店OK」とお返事をいただきました。

や、やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!

みてください、この美味しそうなポークカツレツ!
東京で頼もうもんなら、下手したらこの半分以下の量しかこないですが、ここは1300円くらいでモリモリモリモリ…いちおしの肉豆腐と迷いましたが、今回はこちらにして大正解でした。

女子旅のくせに肉しか食べてないなとか言ってはいけません。

お肉は人を元気にする、異論は認めない。

さて、おなかいっぱいでこれから宿に帰るのですが…その前に化粧室の水道が面白すぎたので、是非観てください。これどこから見ず出るかわかりますか?

やかんを傾けたら水が出てくるんですよ!

どうしてこのデザインにしたし。私の人生でトイレの写真とったのは、有田でトイレが有田焼だった時以来ですね。インパクトがすごい。

ごちそうさまでした!
美味しいしお店の方の人柄も良かったし、地元の方から人気が高いのもよくわかります。

大正ロマンちっくなステキな建物でした。
地元の方の集まりでよく使われるとの事で、貸し切りも多いそうなので、
事前に問い合わせされたほうがいいかもしれません。

天音食堂 (アマネショクドウ)
0265-55-3259
長野県飯田市八幡町2100-3

11:30~14:00 (LO) 18:00~21:00(LO)
日曜日、第2月曜日定休日

 

満腹で宿に戻り一人でまったりしていたら、オーナーの中村さんが来て色々と話が弾む。

このゲストハウスを作るきっかけや、作る過程の話など沢山興味深い話がうかがえました。

さらに、今日宿泊していたご夫婦が食事から戻って団らんに参加。
これぞTheゲストハウスって感じでいいですね。

じつはこのお二人、横浜から長野に移住するために内見にきたんですって!

なんという行動力。

これまで自分は今の会社の中でのキャリアしか考えてなかったけれど、一度リセットして新しいことにチャレンジするのも考えても良いのかもしれない…とふと考えさせられました。

今日は居酒屋営業が休みなので出かけていた、調理担当の高橋さんが戻って、団らんに参加。

なにやら強そうなお酒をふるまってくださいました。

この「鼎」はかの有名な十四代に勝つために作られたお酒とおっしゃってたんですが、確かにおいしい…下戸の私にもわかる…!

ところで「その辺の酒屋で売ってるよ」とおっしゃってましたが、じつはコレ契約酒店でしか取り扱ってないそうなんですよ。珍しいもの頂けました!ごちそうさまでした。
次はお土産もっていきます!

日付も変わったあたりで、それぞれの部屋に戻り就寝。

これまでも旅先でいろんな人にであってきたはずだけど、何故だろう今回の旅で会う人達がやたらとまぶしく見えるのは、自分に自信がなくなっているからなんだろうか…
でもきっと、みんな「自分の意思で行き方を決めた」人たちだから羨ましく見えるんだろうな。

そんな事をベッドで考えながら眠りについたのでした。

三日目:ついに飯田線完乗。帰るまでが逃避行です。

おはようございます。
3日目の朝食は、ゲストハウスに朝食をお願いしておきました。
シンプルだけど美味しい朝食、薄すぎず、濃すぎない味付けだからしっかりと噛んで食べておなか一杯になりました。本当はまだ宿の方々とゆっくり話しがしたかったけれど、夕方までに帰宅しなければいけなかったので、どんなに遅くても朝9時台の電車に乗らなくてはいけません。

忘れてしまいそうだけれど、そう、これは18きっぷの旅なのです。飯田線も半ばすぎているとはいえ、ここから諏訪に抜け、中央線経由で東京に戻るのに7時間近くかかります。8時台の列車に乗ることに決めました。

ゲストブックを見ていたら中村さんがいらっしゃって、電車の時間までおしゃべり。

今日は諏訪に寄ろうと思うと話すと、リビルディングセンター(略してリビセン)という、古民家等をリノベする会社が面白いよ、と紹介頂くも定休日。今回の旅は定休日の呪いが付きまとうらしい。

仕方ないので名前だけ脳裏に刻み、やまいろゲストハウスを後にします。

ここは3泊くらいしたい場所でした!

昨晩は雨でよく見れなかったので、最後に全景を写真に収めてお別れします。

本当に最高だったので、オススメしたい。
特に「飯田線ビジホか旅館しかないよね」というオシャレ女子にぜひとも教えて差し上げたい(オシャレ女子が飯田線乗るかは置いておいて)星が見える穴場も教えていただいたし、次は家族や友達ともきたいな。

やまいろ ゲストハウス
長野県 飯田市八幡町2035
0265-49-8187

※ちょい飲みはお休みの日アリ
※HPや予約サイトではドミのみの掲載だが、個室アリ。個室予約は電話で直接問い合わせ。

8:31 伊那八幡駅発

名残惜しいけれども飯田行の列車に乗ります。車窓から見える景色が山から人里になってきました。

ちなみに伊那八幡は無人駅なので、まだ日付印入ってなかったんですが検札で18きっぷみせたら…

なんと… 手書きで日付+車掌さんの印を押してくださいました。
この旅が終わったらきっぷの残りは金券ショップ行かなと思っていたけれど、これは是が非でも使いきって手元に残しておきたい。

さて今日は朝早いし貸切だろうとおもっていたら、途中で遠足中の保育園児が大量に乗りこんできました。

なにこれ、癒される…!

程なくして今乗っている列車の終点、飯田に到着。


立派な駅舎だし、タクシーが停まっている…!都会だ!!

秘境にいすぎたせいで都会を感じるボーダーラインが下がりまくったことは否定しません。

私は伊那八幡に泊まりましたが、この辺りで宿泊の方が多いようですね。首都圏からの高速バスも泊まりますし、沿線で一番発展している町です。ここで1時間近い待ち時間が発生するのでお土産屋をウロウロして時間をつぶしました。

朝9時台だったので、飲食店は空いておらず残念ながらお土産ウォッチングのみ。でも、こんな胸が熱くなるローカル雑誌と昨日買いそこなった秘境駅最中が買えました!

こんなん絶対読み込むやん。

9:43 飯田駅発

さて、この列車に乗ればいよいよ飯田線脱出です。



気が付いたら、完全に寝落ちして終点の上諏訪だった。

飯田以北は特に秘境駅などもないので、すっかり油断していました。辰野で「飯田線完乗やったどー!」というのを撮影したかったのに後の祭りです。まぁ、またいずれ行く…ことはあるだろうか。

終点上諏訪に到着。

ここで30分の接続時間があるので温泉にでも行こうかと考えていたのですが、なんと今日定休日のはずのリビセンが特別に営業している模様。

気になる所には行っとけ、が信条なのでいってみようと思います。
駅から片道徒歩10分… 完全に競歩ですが、いくぞ!

しかも辞めとけばいいのにパン屋に寄り道した。
このチョコメロンパン最高に可愛くないですか?

パンなぞ買っている場合ではなかったけれど、本能が寄れと言っていたので仕方ない。

ここがリビセン!正式名称は”ReBuilding Center JAPAN”です。どうぞよろしく。
超高速で、リビセンをのぞき5分ほどで辞する。私は一体何をしに来たのだ。

アンティーク家具、雑貨だけでなくカフェも併設されていたので次は時間をかけてゆっくりみたいですね。

 

そして文字通りダッシュで上諏訪駅に無事戻ってきました。これなんの競技だっけ?
思ったよりも時間が余ったので、ここで温泉に入って「1日一温泉」コンプリートといきましょう。

上諏訪駅にある足湯だけどね!!!

 

そしてこの後は中央線を乗り継ぎ、無事に東京までたどり着いたのでした。
オール18きっぷ2泊3日だったのでかなり身体に堪えたけれど、帰宅してからも謎の清々しさに包まれていて、秘境エネルギーを感じましたね。

たぶんその謎の清々しさは、私が「仕事を辞める」決心がついたからだと思う。

飯田線は乗車時間がとても長いので、考え事をするのには最適で。列車に揺られたり、様々な人の生き様をみている間に考えが纏まったのでした。

よく「人生が変わる出会い」っていうけれど、今を思えばこれがそうだったと思う。でも、イメージしてた「ビビッ!」とくるようなのではなく、その変化はじわじわと私に来たようです。

結局言いだしてから仕事を辞められるまでに1年かかったけれど、全てをリセットした今、また飯田線に乗りたいし、やまいろゲストハウスに行きたいですね。

コロナが落ち着いたら、今度は星を見に行きます…!